コラム

ドクターコラム④

 久しぶりのコラムの更新になります。
他の人が書くブログやコラムを読むのは好きですが、いざ自分が発信しようとすると難しいな、と感じます。気負いすぎず、少しずつ、自分の言葉で書きますね。

 今年の10月で、クリニックを開院して5周年になりました。あっという間の5年、時間感覚が麻痺しそうです。

 10年前の私は札幌医大に勤めていながら、「5年後の自分が想像できない。」と思っていました。5年前の私は、「本当に開院できてしまった。やっていけるのか不安。」でも「児童精神の分野で世の中のニーズに応えて貢献できるように、しっかり頑張ろう。」と心に誓っておりました。今の私は、クリニックとして決して大きくないキャパシティの中で、5年間継続できたことにひたすら感謝という気持ちです。

 開院して1年たたないうちに、胆振東部地震とブラックアウトがありました。幸い被害はほとんどなかったのですが、「社会で起きる想定外に対する覚悟」が必要だと感じました。そしてコロナ禍です。正直、こんなに長引くとは思っていませんでした。

 第8波が来ている今現在も、診察室の奥行の狭いテーブルに、白枠のアクリルパーテーションを置いています。患者様との距離や隔たりを感じ、嫌だなと思っています。早く取っ払ってしまいたいですね。マスク生活には慣れましたが、子どもにとっては表情認知の発達に影響があるのではと心配です。院内感染を防ぐため、職員が集まって食事をとることも避けています。コミュニケーションはできていますが、少し寂しいです。

 テレビを見ると、海外では普通にマスクなしで人々が集まっています。日本でも、旅行や会食の機会を持つ人が増え、少しずつ制限が緩んでいるようです。相次ぐ家庭内感染や学級閉鎖があっても、重症化はほとんど聞きません。当たり前を取り戻すように、世の中は確実に動いていています。

 5年後の自分を想像すると・・・「そんな時期もあったね。」とコラムを読んで振り返っているでしょう。そして、今と同じようなペースで診療を続けることができていたら、すごく幸せです。何かきっと想定外なことは起こっているはずですが、乗り越えていたい。

 子どもの成長はめざましく、まぶしいです。元気をもらいながら、私自身も1日を大事に、希望をもって生きたいと思っています。